// 日本語 · 全 7 回中の第 1 回 · 原稿 2026-10-10 · 本サイトで再編・確認 2026-10-12
日本語ノート 1|文の構造:述語・格フレーム・助詞
まず述語を見つけてから役割を分け、内側の出来事を完成させてから接続と文末表現を決めます。この記事では、シリーズ全体で使う分析方法を示します。日本語の文を七つのステップで解析する方法、よくある誤りの根本原因、そして名詞文・格フレーム・は/が・移動の表現です。
- 初級コース L1–L21 とその後の授業ノート
- 元のノート・「編集者の解説」・校訂を区別して表示
- 日本語の例文は三言語版のすべてで原文のまま
01|まず構造を組み、それから助詞と語尾を選ぶ
長い文は、一語ずつ訳すのではなく、「出来事の内容」が「外側の述語」に埋め込まれたものとして捉えます。
編集者の解説
このノートは元の冊子の要点を受け継いでいます:述語 → 格役割 → 節の階層 → 接続の形。述語とは、文が最終的に表す動作・状態・判断のことです。格役割とは、それぞれの名詞が述語に対して果たす役割のことです。
読むときは外側から内側へ、文を作るときは内側から外側へ。 読むときは、まず「待っています」を見つけて初めて、その前の部分全体が待つ対象だとわかります。文を作るときは、まず「友達が来る」を完成させ、「の」で名詞化してから「を待っています」につなげます。
「普通形」で解決できるのは形の問題の一部だけです。さらに、事実を述べるのか、目的を表すのか、依頼を伝えるのか、推測なのかを区別する必要があります。同じ動詞でも、外側の構造が変わると意味が変わります。
- 内側の出来事 [友達 が 来る] 誰が来る?「が」は「来る」に属する
- 出来事の名詞化 の 出来事全体が一つの成分になる
- 外側の格と述語 を 待っています 何を待つ?「を」は「待つ」に属する
日本語の文を解析する七つのステップ
| 手順 | 問い | 操作 | 例:友だちが来るのを待っています |
|---|---|---|---|
| 1 | いちばん外側の述語は何か? | まず文末を見る。先に助詞を推測しない。 | 待っています |
| 2 | 述語はどの格を必要とするか? | 基本の格フレームを確認する。 | Nを待つ |
| 3 | その N は物か、出来事か? | 出来事なら、先に内側の節を組み立てる。 | 「友だちが来る」は一つの出来事 |
| 4 | 内側の述語は何か? | 内側の主体・目的語・場所を判断する。 | 友だちが来る |
| 5 | 大きな文にどう埋め込むか? | の/こと/連体修飾節などを使う。 | 友だちが来るの |
| 6 | 右側の接続はどの形を求めるか? | 普通形・て形・た形・ます形の語幹から選ぶ。 | 来る + の |
| 7 | いちばん外側の時制と丁寧さは? | 「ます/ました」は最後に決める。 | 待っています |
外側:私は [ ]を 待っています。
内側: 友だち が 来る
埋め込み: [友だちが来る]の
完成:私は [友だちが来るの]を 待っています。
元の冊子のページ:P1、P2、P6、P7、P8、P24、P37、P53、P64、P69、P76、P86
02|誤りの診断:どの層から直すか
テストが示すのは解答した時点での弱点であり、能力の評価ではありません。
編集者の解説
元の冊子には、授業後に受けたテスト(L19–L21)1回分の解答が記録され、修正すべき8項目が指摘されています。これは元資料にある過去の解答記録です。本版では再テストを行っておらず、JLPT のレベルにも換算していません。残しているのは誤りの種類と根本原因だけです。
8つの誤りは、問題番号ごとに答えを覚えるより、根本原因ごとに並べ直すほうが役に立ちます:内外の層の混同(経験/偶発/忘却)、格フレームと視点(要る、くれる、同じ)、コロケーションと比較(ほど、もう一度)。
まず「名詞化と忘れる」と「授受」を読み、それから接続一覧と「間違えやすい点」で確認してください。正解した語順の項目も残しています。繰り返し使える分析の仕方を示しているからです。
誤りが集中している範囲
| 範囲 | 診断 |
|---|---|
| 文中の語彙 | 「くれる」の視点と、形の似た動詞「要る/入る/いる/入れる」は、まとめて強化する必要がある。 |
| 助詞 | 主な問題は「Aと同じN」の名詞のつなぎ方に集中している。 |
| 語彙の選択 | 「ほど〜ない」「もう一度/また」と時間の副詞は混同しやすい。 |
| 活用 | 「Vたことがある/Vないことがある/Vるのを忘れる」が最優先。 |
| 語順 | 連体修飾節、場所の助詞、「しか+否定」の全体的な組み立ては正しい。 |
今回の精査で追加した三つの誤解
| 項目 | 陥りやすい誤ったルール | 正しい判断 |
| 原因 から | 「から」の前には普通形しか来ない | 「要るから」「要りますから」のどちらも成立する。普通形でも丁寧形でもよい。名詞・な形容詞の普通形の肯定には「だ」が必要。 |
| 時間の副詞 | また=「まだ〜ない」、もう=「すでに」の意味だけ | もう=すでに/さらに/(否定で)これ以上〜ない、まだ=依然として/(否定で)いまだ〜ない、また=再び、もうすぐ=間もなく。 |
| 忘れる の作用域 | 結果が「電気を消していない」なので、内側を「消さない」にしてしまう | 「消すのを忘れた」の「消す」は本来するはずだった動作。「消さなかった」は外側の結果であり、内側に持ち込んではいけない。 |
現在の優先順位: ①「ことがある/のを忘れる」の内外の層、②授受の視点と「要る」、③原因の「から」の前の文体、④「もう・まだ・また」、⑤「ほど・同じ」。
以下の 18 項目は単に「正解した」ものではなく、どの規則がすでに混合問題で使えるかを確認したものです。右の列には、逆に取り違えやすい落とし穴も示しています。
| 状態 | 正しい形 | 成り立つ理由と逆の落とし穴 |
| ○ | 簡単な料理だから、すぐ作ることができます。 | 「簡単」はな形容詞なので、名詞を修飾するときは「な」を使う。意味の上でも「すぐ作れる」ことの理由になる。 |
| ○ | 弟は今年四歳になります。 | 年齢には助数詞「歳」を使う。「四歳」は「よんさい」と読む。 |
| ○ | 部長はめがねをかけています。 | 眼鏡には「かける」を使う。「ています」はかけた後の状態の継続を表す。 |
| ○ | 日本では靴を脱ぎます。 | 靴は「脱ぐ」の目的語。家に上がるのは「うちに入る」。 |
| ○ | 会議の前にコピーをしてください。 | 名詞を「前」につなぐときは「の」、時点全体には「に」を使う。 |
| ○ | 佐藤さんは渋谷に住んでいます。 | 「住む」の居住地は「に」で示す。動作の場所の「で」ではない。 |
| ○ | ケーキの作り方を教えてください。 | 「ケーキの作り方」は名詞のまとまり。「教える」内容は「を」で示す。 |
| ○ | 飲み物とか、新聞とかがあります。 | 「AとかBとか」は話し言葉的な例示の列挙。「や」を使うなら通常は「AやBなど」と言う。 |
| ○ | ぜひ来てください。 | 「ぜひ」は希望・勧誘・依頼と結びつくことが多い。「とても」のような程度副詞ではない。 |
| ○ | 先生が50人います。ほとんど女の先生です。 | 「ほとんど」は大部分を表す。より明確には「ほとんどが女の先生です」と言える。 |
| ○ | 友だちが妹におみやげをくれました。 | 修飾語のない「妹」は通常話し手の妹を指し、話し手側に属する。そのため「くれる」を使う。 |
| ○ | 田中さんは知らないと思います。 | 「知る」の一般的な現在否定は「知らない」。引用内容は普通形を使う。 |
| ○ | 青いスーツを着ている人です。 | 連体修飾節は普通形を使う。服を身に着けた状態は「着ている」で表す。 |
| ○ | 今朝、出かける前にエアコンを消しました。 | 主節が過去でも、「前に」の前は辞書形のまま。 |
| ○ | 昨日、友だちが来たから宿題ができませんでした。 | 昨日すでに起きた原因には過去の普通形「来た」を使う。 |
| ○ | 明日、授業が終わった後で先生と話します。 | 「た」は前の事柄が後の事柄より先に完了することを表し、文全体が過去になるわけではない。 |
| ○ | うちの近くにある映画館で映画を見ました。 | 「うちの近くにある」は「映画館」を修飾する。外側の動作の場所は「で」で示す。 |
| ○ | うちから駅まで行くのに5分しかかかりません。 | 「しか」は必ず否定と組み合わせる。「行くのに」は移動にかかる時間を表す。 |
まず完全な文に戻してから、本当の誤りのパターンを指摘します。太字は練習問題で選ぶべき形です。いちばん右の列には、最も判断を誤りやすい隣接構造を示しています。
| 覚えておくべき正しい文 | 成り立つ理由 | 最も判断を誤りやすい点 |
|---|---|---|
| 母が誕生日に財布をくれました。 | 母が贈り手で、財布は話し手の側へ移る。だから「くれる」を使う。 | 「あげる」は送り手から外へ向かう見方。「くださる」は尊敬語で、教材では自分の母親を高める対象にしない。 |
| しょうゆが要りますから、スーパーに買いに行きます。 | 「要る」の格フレームは「必要な物が要る」。「要ります+から」は丁寧形の原因の節として正しい。 | 入る=中に入る、いる=人・動物が存在する。「入れる」なら「しょうゆを入れる」と言う。 |
| 私はリンさんと同じクラスです。 | 比較の基準は「と」で示す。「同じ」は名詞を直接修飾し、「の/な」を付けない。 | 「リンさんの同じクラス」も「同じのクラス」も成り立たない。 |
| 先月のテストは、このテストほど難しくなかったです。 | 否定の比較の骨組みは「AはBほど〜ない」。 | まず比較の主題 A を確認する。比較の文だというだけで機械的に「より」を選ばない。 |
| 箱根はとてもきれいでした。もう一度行きたいです。 | 「もう一度」は「もう一回」をはっきり表す。 | 「また行きたい」も自然だが、問題文にすでに「一度」が印刷されているので、固定の形「もう一度」にする。 |
| ユーリアさんは一度学校を休んだことがあります。 | 人生の経験には「Vたことがある」を使う。 | 「休むことがある」は「時々休む」という意味で、過去の経験ではない。 |
| 時々ジョギングをしないことがあります。 | 「時々しない」には「Vないことがある」を使う。 | 「したことがある」は経験、「することがある」は時々すること。方向が逆。 |
| 今朝、部屋の電気を消すのを忘れました。 | 忘れたのは本来するはずだった「電気を消す」動作なので、内側は「消す」。 | 「消したのを忘れた」は、消したのに消したこと自体を忘れたという意味。「消さないのを忘れた」は「消さないこと」を忘れたという意味。 |
元の冊子のページ:P3、P4、P5
03|名詞文・指示詞・丁寧な尋ね方
まず「単独で指し示すもの」と「名詞を修飾するもの」を区別します。「これ」は単独で使えますが、「この」の後には名詞が必要です。
編集者の解説
これは本です の これ は、それだけで一つの成分です。この本 の この は修飾の役割だけを担い、修飾先は後ろの 本。何ですか の なん は「何」の読み方であって、説明の語気を表すものではありません。説明の語気を表すのは んです。
こちら/そちら/あちら/どちら は方向・場所・人物・二者のうちの一方を指すことができ、「ここ/そこ」より範囲が広いです。「どちら」を、どんな場面でも「どれ」と置き換えられる丁寧版だと考えないこと。元の冊子の選択の文では、二つを比べるときは どちら、三つ以上から一つを選ぶときは通常 どれ。
最小の文型、指示詞、丁寧な疑問詞、位置名詞をまず整理しておくと、複雑な文にも安定した枠組みができます。
名詞文
| 時制 | 肯定 | 否定 |
|---|---|---|
| 現在/未来 | 学生です | 学生ではありません |
| 過去 | 学生でした | 学生ではありませんでした |
| 私は学生です。 | 私は学生です。 |
| 昨日は休みでした。 | 昨日は休みでした。 |
| 先週は休みではありませんでした。 | 先週は休みではありませんでした。 |
指示詞と場所の指示詞
| 種類 | 形式 | 例 |
|---|---|---|
| 単独で使える | これ・それ・あれ・どれ | 私のかばんはどれですか。 |
| 後ろに名詞が必要 | この・その・あの・どの + N | どのかばんですか。 |
| 場所 | ここ・そこ・あそこ・どこ | トイレはどこですか。 |
| 丁寧/方向 | こちら・そちら・あちら・どちら | 受付はこちらです。 |
× どれ本ですか、× どのですか。
「何」と丁寧な疑問詞
| 形式 | 機能 | 例 |
|---|---|---|
| 何ですか(なんですか) | 「何であるか」を尋ねる | これは何ですか。 |
| 形式 | 機能 | 例 |
|---|---|---|
| 何の + N | 種類・内容・関係を尋ねる | 何の本ですか。 |
| 何が | 「何」が述語のが格になる | 何が必要ですか。 |
| 何で | 道具・交通手段・方法を尋ねる | 何で書きますか。 |
| だれ/どなた | 人を尋ねる(どなたは丁寧) | あの方はどなたですか。 |
| どこ/どちら | 場所・方向を尋ねる(どちらは丁寧) | お手洗いはどちらですか。 |
位置名詞
基準の名詞 + の + 位置名詞
机の上、箱の中、駅の前、銀行の隣、家の近く
| 語 | 中心となる語感 | 例 |
|---|---|---|
| 隣(となり) | すぐ隣・隣接。同じ種類の空間が並んでいることが多い | 銀行の隣に郵便局があります。 |
| そば | すぐそば。距離感が近い | 駅のそばにコンビニがあります。 |
| 近く(ちかく) | 付近一帯。範囲は通常より広い | 家の近くに公園があります。 |
手書きノートからの追加:いかがですか
| 形式 | 使い方のポイント |
|---|---|
| こちら | この方向・この人。話し手の近く、または話し手側 |
| そちら | その方向・その人。聞き手側、またはすでに話題に出た側 |
| あちら | 遠くの方向・あの人 |
| どちら | どの方向・どの人・二つのうちどちらか。文脈で判断する |
| いかがですか | 「どうですか」をより丁寧に尋ねる |
こちらはいかがですか。
こちらはいかがですか。
補遺 P94 の応用例文。
元の冊子のページ:P9、P10、P94
04|述語の格フレームと主な助詞
「名詞が助詞を決める」のではなく、「その名詞がこの述語の中で何をしているか」が助詞を決めます。
編集者の解説
動詞は、役割を伴った完全な組み合わせとして覚えましょう:電車に乗る、電車を降りる、電車で行く。これは互いに矛盾する三つの規則ではなく、乗る対象・離れる対象・交通手段を使った移動という、三つの異なる出来事です。
を は目的語だけでなく、経路や起点も示します。で は活動の舞台、道具、人数のまとまりを示せます。に は、位置・到達点・対象・目的・結果のどれなのかを述語から見分ける必要があります。 にを見ても、すぐに場所の意味だと決めつけないでください。
「助詞を見て動詞を推測する」のではなく、まず述語を決め、次にその出来事の中で各名詞が担う格役割を判断します。
正しくは:まず「食べる・読む・始める・移動する・わかる」のどの述語なのかを決め、次に名詞が主体・目的語・目的・場所・対象のどれなのかを問います。
典型的な格フレーム
| 述語 | まず問うこと | 基本の枠組み | 例 |
|---|---|---|---|
| 食べる | 何を食べる? | Nを食べる | 昼ご飯を食べる |
| 読む | 何を読む? | Nを読む | 本を読む |
| する | どんな活動をする? | Nをする/Nする | 食事をする/勉強する |
| 始まる | 何が始まる? | Nが始まる | 授業が始まる |
| 始める | 何を始める? | Nを始める | 先生が授業を始める |
| 終わる | 何が終わる? | Nが終わる | 仕事が終わる |
| 行く | どこへ行く?/何をしに行く? | 場所に・へ行く/目的に行く | 東京へ行く/旅行に行く |
| わかる | 何がわかる? | Nがわかる | 日本語がわかる |
| 知る | 何を知っている? | Nを知る | 読み方を知っている |
| 待つ | 何を待つ? | Nを待つ | 友だちを待つ |
活動名詞と「する」
| 食事をする。 | 「食事」という活動をする。 |
| 勉強をする/勉強する。 | どちらも可。 |
| ご飯を食べる。 | 「ご飯する」とは言わない。 |
意味が近くても格フレームは異なる
| 意味 | 日本語 | 理由 |
|---|---|---|
| 日本語がわかる | 日本語がわかる | 「わかる」の対象は通常「が」で示す |
| 意味 | 日本語 | 理由 |
|---|---|---|
| 読み方を知っている | 読み方を知っている | 「知る」は他動詞 |
| 乗車する | 電車に乗る | 「乗る」の着点/乗る対象 |
| 降車する | 電車を降りる | 離れる乗り物 |
| 電車で移動する | 電車で行く | 交通手段 |
| 先生に尋ねる | 先生に聞く | 尋ねる相手 |
| 音楽を聴く | 音楽を聞く | 聞く内容 |
同じ「電話」でも助詞が変わる
| 文型 | 役割 |
| 友だちと電話で話す | 「電話」は話す手段、「友だち」は一緒に話す相手 |
| 友だちに電話をかける | 「友だち」は電話を受ける相手。「電話をかける」は決まった組み合わせ |
| 電話を使う | 「電話」は使われる物 |
| 電話に出る | 電話を受ける。「に」は応じる/入っていく対象 |
活動名詞の二通りの表し方
| 形式 | 焦点 |
|---|---|
| 発音の練習をする | 「発音の練習」という活動をする |
| 発音を練習する | 「発音」を練習の対象にする |
助詞は一対一の訳語ではなく、意味役割として理解します。
を:目的語・経路・起点
| 機能 | 例 |
|---|---|
| 動作の目的語 | 本を読む。/コーヒーを飲む。 |
| 通過する経路 | この道をまっすぐ行く。/公園を歩く。 |
| 離れる場所/乗り物 | 家を出る。/大学を出る。/電車を降りる。 |
に:点・着点・対象・結果・目的
| 機能 | 例 |
|---|---|
| 存在する位置 | 教室に学生がいます。 |
| 特定の時刻 | 7時に起きます。 |
| 到着/進入 | 学校に着く。/教室に入る。 |
| 動作の相手 | 先生に聞く。/父に電話をかける。 |
| 書き込む位置 | ノートに住所を書く。 |
| 変化の結果 | 医者になる。/半分に切る。 |
| 移動の目的 | 買い物に行く。/遊びに来る。 |
| 頻度の基準 | 一か月に二回行く。 |
| 用途/適用 | 旅行に便利だ。 |
で:舞台・手段・人数・合計
| 機能 | 例 |
|---|---|
| 動作の場所 | 図書館で本を読む。 |
| 出来事の場所 | 学校でコンサートがあります。 |
| 道具/方法/交通手段 | ボールペンで書く。/電車で行く。 |
| 人数 | 友だちと三人で料理を作る。 |
| 数量の合計 | 三つで300円です。/全部で800円です。 |
へ、 と、や、か、も、しか、から、まで
| 形式 | 要点 | 例 |
|---|---|---|
| へ | 移動の方向 | 日本へ行く。 |
| と | 共同・すべての列挙・引用・比較 | 友だちと見る。/「ありがとう」と言う。 |
| や〜など | 一部の列挙 | 机や椅子などがある。 |
| AかB | 選択(または) | パンかご飯を食べる。 |
| も | 追加・全部・強調 | 私も行く。/六時間も勉強した。 |
| しか + 否定 | 限定(だけ) | 三時間しか寝なかった。 |
| から/まで | 起点/終点 | 9時から5時まで働く。 |
自然現象と移動の範囲
| 文 | 助詞の役割 |
|---|---|
| 雨が降る/風が吹く | 自然現象の主体は「が」 |
| 町が静かになる | 変化する主体は「が」 |
| 家で休む | 休む動作の場所は「で」 |
| 公園を散歩する | 「を」は歩く範囲/経路を示す |
| 公園で散歩する | 「で」は散歩という活動の場所を示す |
元の冊子のページ:P11、P12、P15、P16
05|は/が/には、存在と数量
「は」は話題の層、「が」は文の中の役割の層です。両者を「旧情報/新情報」という絶対的な規則に単純化することはできません。
編集者の解説
教室に先生がいます は「教室に誰がいるか」に答え、先生は教室にいます は「先生はどこにいるか」に答えます。訳すとどちらも同じような文になりますが、違いは情報の組み立て方にあります。
には は、引き続き に の位置や対象を表し、そこに は の話題・対比が加わったものです。内側の節の主語は が を基本パターンとしますが、元の冊子が明記しているとおり、従属節で対比の は を使うことが全面的に禁止されているわけではありません。
数量詞は文全体の中で判断します:Tシャツを三枚買います では、すでに を で目的語が示されているので、機械的に二つ目の をは補いません。本版の誤りの判定はこの完全な文脈に基づいており、「数量詞+助詞」をすべて誤りとはしていません。
は:話題と対比
私は学生です。
私について言えば、学生です。
テレビはありますが、コンピューターはありません。
テレビはありますが、コンピューターはありません。
ここでは「は」が対比を作っています。
が:出来事の主体・新情報・存在するもの
| 母が来ます。 | 母が来ます。 |
| 桜が咲きました。 | 桜が咲きました。 |
| 教室に先生がいます。 | 教室に先生がいます。 |
| 文 | 焦点 |
|---|---|
| 教室に先生がいます。 | 教室に「誰がいるか」。「先生」が新情報。 |
| 先生は教室にいます。 | 既知の先生が「どこにいるか」。 |
内側の節の主語
[友だちが来る]前に、部屋を掃除します。
友だちが来る前に、部屋を掃除します。
「友だち」は内側の「来る」の主体なので、「が」を使います。
「が」をとりやすい特殊な述語
| 述語のグループ | 例 |
|---|---|
| わかる | 日本語がわかります。 |
| 好き/嫌い | 音楽が好きです。 |
| 上手/下手/苦手 | テニスが上手です。 |
| できる | フランス語ができます。 |
| 述語のグループ | 例 |
|---|---|
| 欲しい | 新しいかばんが欲しいです。 |
には=に+は
| 文 | 対比のポイント |
|---|---|
| 本は机の上にあります。 | 本は机の上にある。「に」が存在の位置を示す。 |
| 本は机の上にはありません。棚の中にあります。 | 本は机の上ではなく棚の中にある。「には」で場所の対比が加わる。 |
| 東京にはありますが、大阪にはありません。 | 東京にはあるが、大阪にはない。 |
同じ名詞でも、述語が存在・動作・数量関係のどれを表すかによって助詞が変わります。値段と店での依頼は第29節にまとめています。
存在と出来事
| 骨組み | 例 | 焦点 |
|---|---|---|
| 場所に物があります | 机の上に本があります。 | 物の存在 |
| 場所に人/動物がいます | 教室に先生がいます。 | 人/動物の存在 |
| 場所でイベントがあります | 学校でコンサートがあります。 | 出来事がその場所で行われる |
存在文の四つの並べ方
| 骨組み | 焦点 |
|---|---|
| Nは場所にあります | 既知の N がどこにあるか |
| Nは場所にはありません | N はそこにない。対比あり |
| 場所にNがあります | ある場所に何があるか。N が新情報 |
| 場所にNはありません | そこには N がない。N を対比 |
数量詞の位置
| 学生が四人います。 | 学生が四人います。 |
| Tシャツを三枚買いました。 | Tシャツを三枚買いました。 |
| 一週間に三回運動します。 | 一週間に三回運動します。 |
| 一回に二時間運動します。 | 一回に二時間運動します。 |
元の冊子のページ:P13、P14、P17
06|移動・乗り換え・道の尋ね方と出る
目的地・出発点・交通手段・乗車位置・動作の目的は分けて考える必要があります。
編集者の解説
上野で電車に乗る の 上野で は「乗車」に属します。上野まで電車で一時間かかる は「上野まで行く」のにかかる時間を表します。前の文の助詞をそのまま後の文に移さないでください。
母が来る の「母」は、来る本人です。母に会いに来る では、一つ目の に は 会うの格フレームに属し、二つ目の に は移動の目的を表します。母に来てもらう で人物を示す に は、さらに外側の授受構造に属します。
「目的地・目的・交通手段・乗る対象・起点・動作の場所」を分けて示します。
「電車」と使う三つの基本の助詞
| 文型 | 役割 | 意味 |
| 電車に乗る | 乗る対象/着点 | 乗車する |
| 電車を降りる | 離れる乗り物 | 降車する |
| 電車で行く | 交通手段 | 電車で移動する |
電車に乗って、東京へ行きます。
「電車に」は「乗る」に、「東京へ」は「行く」に属します。
上野まで電車で一時間かかります。=電車に乗って上野まで行くと一時間かかる。「まで」は終点、「電車で」は手段、「一時間」は「かかる」を直接修飾する。
× 上野で電車に一時間をかかります。
乗り換えの流れ全体
A駅で電車に乗って、B駅で地下鉄に乗り換えて、C駅で降ります。
| 成分 | 理由 |
|---|---|
| A駅で | 乗車の動作が起こる場所 |
| 電車に乗る | 乗る乗り物 |
| B駅で | 乗り換えが起こる場所 |
| 地下鉄に乗り換える | 乗り換え先の乗り物 |
| C駅で降りる | 降車地点 |
| 電車を降りる | 離れる乗り物 |
目的地と目的
| 東京へ行く。 | 東京に向かう。 | 目的地/方向 |
| 買い物に行く。 | 買い物をしに出かける。 | 活動の目的 |
目的地と活動の目的
日本へ旅行に行きます。
日本へ旅行に行きます。
日本へ:どこへ行くか。旅行に:何をしに行くか。
道の尋ね方と曲がり方
| この道をまっすぐ行ってください。 | この道をまっすぐ行ってください。 |
| 二つ目の角を右に曲がってください。 | 二つ目の角を右に曲がってください。 |
| 二つ目の角で右に曲がってください。 | 二つ目の角で右に曲がってください。 |
| 形式 | 焦点 |
|---|---|
| 角を曲がる | その角を回って進む。経路/曲がる地点 |
| 角で曲がる | その角の地点で曲がる |
| 右に曲がる | 曲がった結果/方向 |
「来る」は自動詞です。まず「誰が/何が来るのか?」と問います。答えは出来事の主体で、 がを使います。次に「どこに来るのか?」と問います。到達点を示すのは に/へ。
母が 私の家に 来ます。
誰が来る?母が / どこに?私の家に / 述語:来ます
| 形式 | 判定 | 分析 |
|---|---|---|
| 母が来ます。 | ○ | 「母」は「来る」の主体。「母がやって来る」という意味。 |
| 母は来ます。 | ○ | 「母」を話題または対比にする。「母なら来る」という意味。 |
| 母に来ます。 | × 単独では不可 | 人を表す名詞は、通常そのままでは「来る」の到達点になれない。場所か別の動詞を補う。 |
| 母を来ます。 | × | 「来る」は人物を表す直接目的語の「を」をとらない。 |
「母に」が成り立つのはどんなときか?
| 正しい文 | 「に」はどの述語に属するか? |
| 母の家に来ます。 | 「母の家」が「来る」の到達点。 |
| 母のところに来ます。 | 「母のところ」は「母がいる場所」を表す。 |
| 母に会いに来ます。 | 一つ目の「に」は「会う」の対象、二つ目の「に」は移動の目的。 |
| 母に来てもらいます。 | 「母に」は外側の「てもらう」に属し、母に頼んで来てもらうこと/母が来てくれることを表す。 |
出る:名詞と助詞で判断する。「外へ出る」だけの意味ではない
| 組み合わせ全体 | 読み方/意味 | 出来事での役割 |
|---|---|---|
| 家を出る | いえをでる/家から出かける | を:起点 |
| 電車が出る | でんしゃがでる/電車が出発する | が:出発する主体 |
| せきが出る | せきがでる/せきをする | が:現れる症状 |
| 授業に出る | じゅぎょうにでる/授業に出席する | に:参加する活動 |
| 電話に出る | でんわにでる/電話を受ける | に:応じる対象 |
元の冊子のページ:P18、P19、P23、P95
