// 日本語 · 第 5 回(全 7 回) · 原稿 2026-10-10 · 本サイトで再編・確認 2026-10-12

日本語ノート 5|やりとりと日常表現:授受表現、比較、副詞、店での表現

授受表現、比較、副詞、店での表現は、いずれもまず動作の方向と場面を見ることが出発点です。このノートでは、日常会話でよく使われ、しかも間違えやすい表現を整理します。

  • 初級コース L1–L21 とその後の授業ノート
  • 元のノート、編集者の解説、校訂を分けて表示
  • 日本語の例文は三言語版すべてで原文のまま

29|授受表現、家族の視点、貸し借り、教える・習う

まず物/情報がどこへ移動するかを描き、次に誰を主語にするかを選びます。敬語を決めるのは最後です。

編集者の解説

くれる は、話し手側へ移る授与を前面に出します。もらう は受け手を主語にします。母が私に財布を贈った場合、 母が財布をくれた とも 私は母に財布をもらったとも言えますが、視点が異なります。

元の練習問題の「妹」は、教材での扱いに従って話し手の妹と解釈するため、想定される答えは くれるです。これは文脈を前提とした想定解答であり、「妹」が出てくる文をすべて同じ視点に決めつけるものではありません。

敬語は社会的な関係を別に扱います。外部の人に自分の家族のことを話すとき、教材では一般に家族を「くださる」の主語として高めません。「母は年上だから」というだけで、機械的に尊敬語に変えてはいけません。

まず物や情報の移動方向を描き、それから誰が主語かを決めます。

あげる・くれる・もらう

動詞 基本の型 視点
あげる AはBにNをあげる 贈り手が主語。他者に贈る
くれる Aが私にNをくれる(私=話し手または身内) 他者が話し手側に与える
もらう BはAに/からNをもらう 受け手が主語
私は母に花をあげました。 私は母に花をあげました。
兄が私にかばんをくれました。 兄が私にかばんをくれました。
私は兄にかばんをもらいました。 私は兄にかばんをもらいました。

敬語

普通 敬語 視点
あげる 差し上げる 話し手側が敬うべき相手に贈る
くれる くださる/くださいます 敬うべき相手が話し手側に与える
もらう いただく 話し手側が敬うべき相手から受け取る

花に水をやる

花に 水を やる

花=受け手、水=与える物。「やる」は植物や動物に対してよく使います。

貸す・借りる・返す・教える・習う

動詞 格フレーム 例
貸す AはBにNを貸す ひろしさんはアシムさんに本を貸した。
借りる BはAに/からNを借りる アシムさんはひろしさんから本を借りた。
返す BはAにNを返す アシムさんはひろしさんに本を返した。
教える 先生は学生にNを教える 先生は学生に日本語を教えた。
習う 学生は先生に/からNを習う 学生は先生に日本語を習った。

この練習問題には「母から私へ」と「友だちから妹へ」の両方が出てきます。どちらも主語だけを見るのではなく、物が話し手側へ移動しているかどうかを判断します。

贈り手 - 物 -> 受け手

受け手が私/私の家族:通常は「くれる」

正しい文 矢印 理由
母が誕生日に財布をくれました。 母 - 財布 -> 私 受け手は省略されているが、意味は母から話し手へ。「くれる」を使う。
友だちが妹におみやげをくれました。 友だち - おみやげ -> 私の妹 修飾語のない「妹」は通常、話し手の妹を指し、話し手側に属する。
友だちが田中さんの妹におみやげをあげました。 友だち - おみやげ -> 第三者 受け手が話し手側でないときは、贈り手の視点から「あげる」を使える。
先生が私に本をくださいました。 先生 - 本 -> 私 「くださる」は「くれる」の尊敬語で、主語は敬うべき人。

四択の落とし穴

形式 判定 原因
母が財布をくれました ○ 教材の標準 母から私へ。普通の叙述では自分の母に尊敬語を使わない。
母が財布をくださいました △ 特殊な文脈 文法上は主語を高められるが、外部の人に自分の家族について話すときは通常使わない。本問では選ばない。
母が財布をあげました × 本問の視点に合わない 母から第三者へ贈る場合にだけ自然。受け手が私なら「くれる」を使う。
母が財布を差し上げました × 「差し上げる」は話し手側の贈り手が敬うべき受け手に贈るときの謙譲語で、方向も主語の条件も合わない。

元の冊子のページ:P54、P55

30|比較、同じ、選択、名詞のつなぎ方

比較の基準にどの助詞を使うかは、同じ/違う/より/ほどなどの構造によって決まります。

編集者の解説

AはBより高い と AはBほど高くない は、どちらも比較ですが、比べる方向が異なります。まず主題Aと基準Bを見つけ、次に肯定か否定かを確かめます。比較の文だからといって、反射的に「より」を選ばないようにしましょう。

Bと同じN では、と が比較の相手を示し、同じ は名詞を直接修飾するので、 な/のは入れません。一方、 ケーキの作り方 は名詞どうしの関係です。外側の助詞はその後の述語で決まり、 教える/分かる ならそれぞれ を/が。

二者の比較、三者以上の最上級、完全な列挙と部分的な列挙は分けて考えます。

比較の文

機能 型 例
AとBを比べる AはBより〜 飛行機は新幹線より速いです。
二つのうちどちら AとBと、どちらが〜 東京と大阪と、どちらが大きいですか。
答え方 Aのほうが〜 東京のほうが大きいです。
Bほどではない AはBほど〜ない スーパーのすしは市場のすしほどおいしくない。

三つ以上

範囲の中で、どれ/どこ/だれ/いつ/何がいちばん〜ですか。

この三つの中で、どれがいちばん好きですか。 この三つの中で、どれがいちばん好きですか。
どれも同じくらい好きです。 どれも同じくらい好きです。
二つとも好きです。 二つとも好きです。

「と」と「や〜など」

形式 列挙の性質 例
AとB 列挙を完全なリストとして扱う 机と椅子があります。
AやBなど 代表例だけを挙げ、ほかにも項目がある 机や椅子などがあります。

ここでの「と」は「比べる相手」を示します。一緒に動作をする相手の「と」でも、完全な列挙の「と」でもなく、「同じ」が求める比較の基準です。

A は B と 同じです。

AとBが同じであるという意味です。

形式 焦点 例文
AはBと同じです Aを主題にして、AがBと同じだと述べる 私のかばんは先生のかばんと同じです。
AとBは同じです AとBの両方をまとめて取り上げる この二つの色は同じです。
Bと同じN 後ろの名詞Nを修飾する 先生と同じ本を持っています。
Bと同じくらいA 程度がBとほぼ同じ この店はあの店と同じくらい高いです。

「同じ」は名詞を直接修飾する

○ 同じ本/同じ色/同じ答え

× 同じな本

この用法の「同じ」には「な」を付けません。

疑問文と同じ型の表現

文 意味
これは何と同じですか。 これが何と同じかを尋ねる
どれと同じですか。 どれと同じかを尋ねる
私の答えは田中さんの答えと違います。 「違う」も比較の相手を「と」で示す。

同じ 「同じです」は、判断の観点において同一であることを表します。

似ている 「似ています」は似ていることを表しますが、完全に同じである必要はありません。

名詞の連結:と同じ、の作り方、AとかBとか

まず、比較の対象、名詞どうしの関係、代表例の列挙を区別します。中国語の「的/和」から日本語の助詞を決めることはできません。

私はリンさんと同じクラスです

私は[リンさんと同じ]クラスです。

形式 判定 分析
リンさんと同じクラス ○ 「と」が比較の相手を示し、「同じ」が「クラス」を直接修飾する。
リンさんの同じクラス × 「の」では、ここで「リンさんと同じ」という意味を表せない。
リンさんと同じのクラス × ここでの「同じ」には名詞化の「の」は要らない。

ケーキの作り方を教えてください

構造 分析
ケーキの作り方 ケーキ+の+作り方で一つの名詞句になる。
作ります → 作り+方 ます形の語幹+方で「やり方」を表す。
作り方を教える 「教える」内容には「を」を使う。
作り方が分かる 述語を「分かる」に換えると、対象は「が」になる。

飲み物とか、新聞とかがあります

列挙の形 語感 例
AとかBとか より口語的。代表例をいくつか挙げる 飲み物とか、新聞とかがあります。
AやBなど より中立的。部分的な列挙 飲み物や新聞などがあります。
AとB 完全で明確な列挙 飲み物と新聞があります。

元の冊子のページ:P57、P58、P59

31|副詞:時間、頻度、程度、限定

「もう/まだ/また」は時間の整理、「たまに/たまたま」は頻度と偶然の区別で、互いに置き換えることはできません。

編集者の解説

副詞は、長い単語リストにするより、グループに分けたほうが使いやすくなります:時間の境界(もう、まだ、もうすぐ)、出来事の繰り返し(また)、頻度(たいてい、たまに)、偶然(たまたま)、程度(そんなに、ますます)、限定(だけ、しか)。

しか は、この冊子の限定の文型では否定の述語と組み合わせます。だけ の場合は、否定は要りません。そんなに~ない は「それほど高い程度」を否定するもので、「まったく〜ない」という意味ではありません。ますます は程度がさらに進むことを表し、「なる」にしか付かないわけではありません。

本当の頻度と、偶然、おおよその見当、動作のしかた、数量を区別します。

頻度の軸

おおよその頻度 副詞 例
非常に高い いつも いつも7時に起きます。
高い たいてい たいてい家で食べます。
高い〜中程度 よく よくこの店に来ます。
中程度 ときどき ときどき映画を見ます。
低い たまに たまに外で食べます。
低め あまり〜ない あまり外食しません。
とても低い めったに〜ない めったに外食しません。
ほぼゼロ ほとんど〜ない テレビをほとんど見ません。
ゼロ 全然〜ない 全然分かりません。

紛らわしい副詞

形式 意味 例
たまに 時折。頻度が低い たまにラーメンを食べる。
たまたま 偶然に、思いがけず 駅でたまたま先生に会った。
たいてい ふつうは。頻度を表す たいてい7時に起きる。
だいたい おおよそ、ほぼ だいたい7時に起きる。
ゆっくり 動作のしかた ゆっくり食べる。
早く 時間/動作のしかた 早く寝る。
たくさん 数量/程度 たくさん食べる。

疑問詞 + か/も

形式 機能 例
何か/どこか/だれか 不特定の何か 何か買う。/どこかへ行く。
何も/どこも + 否定 全部否定 何も買わない。/どこも行かない。
どれか/どちらか 複数のうちの一つ/二つのうちの一つ どちらかを選んでください。

疑問文と自然な答え方

疑問文 自然な答え
何を買いましたか。 本を買いました。/何も買いませんでした。
何か買いましたか。 はい、買いました。/いいえ、何も買いませんでした。
どこへ行きましたか。 浅草へ行きました。/どこへも行きませんでした。
どこかへ行きましたか。 はい、行きました。/いいえ、どこへも行きませんでした。
だれと行きましたか。 友だちと行きました。/一人で行きました。
何人で行きましたか。 二人で行きました。

「何が」と「何か」

形式 焦点 例
何が 「何」が述語のが格に立つ 何が欲しいですか。
何か 不特定の物事 何か欲しいですか。

も・しか・だけ・あまり

形式 要点 例
六時間も 予想を上回る多さ 六時間も勉強した。
三時間しか+否定 わずか。不足感を伴うことが多い 三時間しか寝なかった。
三時間だけ 中立的な限定 三時間だけ寝た。
あまり+否定 それほど〜ない あまり寝なかった。

時間の副詞の一覧

副詞 要点となる捉え方 代表例
もう 境界をすでに越えた、追加、これ以上〜ない もう食べました。/もう一つ。/もう食べません。
まだ 境界をまだ越えていない、状態が続いている まだ食べていません。/まだ雨が降っています。
また 同じ種類の出来事が再び起こる、次回 また行きます。/また明日。
すぐ 動作までの間隔が短い すぐ行きます。/着いたらすぐ電話します。
もうすぐ ある時点や出来事が間もなく来る もうすぐ授業が始まります。

もう:すでに、これ以上〜ない、追加、再度

用法 元の例文
すでに もう食べました。
これ以上〜ない もう食べません。
追加 もう一つ/もう少し。
再度 もう一度行きます。

まだ:継続と未完了

まだ日本にいます。

まだ日本にいます。

まだ食べていません。

まだ食べていません。

もう食べましたか。
はい、もう食べました。/いいえ、まだです。

もう食べましたか。
はい、もう食べました。/いいえ、まだです。

また・すぐ・もうすぐ

形式 例 見分け方
また また日本へ行きたいです。/また明日。 出来事の再発、または「次回」。「まだ〜ない」ではない。
すぐ すぐ行きます。 動作主が今からすぐに行う。
もうすぐ もうすぐ授業が始まります。 ある時点/出来事そのものが間もなく来る。

四組の最小対比

文 A 文 B 違い
もう一度行きたいです。 また行きたいです。 Aは「もう一回」と回数をはっきり数える。Bは後日また行くことを表すだけで、回数は強調しない。
もう食べません。 まだ食べていません。 A=今後はもう食べない。B=今のところまだ食べていない。
すぐ行きます。 もうすぐ始まります。 A=動作主がすぐに行う。B=ある出来事が間もなくやって来る。
また来ます。 まだ来ません。 A=再び来る。B=まだ来ていない。「また」で「まだ〜ない」は表せない。

ほど・ぜひ・ほとんど

形式 例 要点
AはBほど〜ない 先月のテストは、このテストほど難しくなかったです。 AはBの程度に及ばない。
ぜひ ぜひ来てください。/ぜひ行きたいです。 強い勧誘、希望、願望。
ほとんど 先生はほとんど女性です。/ほとんど食べません。 大部分。否定と組むと「ほぼ〜ない」。

時間軸の覚え方:もう=境界を越えた、まだ=境界の手前/継続中、また=出来事の繰り返し、すぐ=間隔が短い、もうすぐ=境界が目前。

最新のノートにある二つの程度表現

そんなに高くないです。

そんなに高くないです。

否定されているのは、予想された/話題に出た値段の高さの程度です。

これから、ますます寒くなるでしょう。

これから、ますます寒くなるでしょう。

元のノートの文法例であり、実際の天気予報ではありません。

元の冊子のページ:P60、P61、P62、P90、P94

32|ほうがいい、依頼と禁止

「〜したほうがいい/しないほうがいい」は助言、「〜してください/しないでください」は依頼で、同じ語気ではありません。

編集者の解説

具体的な助言の基本形は Vたほうがいい と Vないほうがいいです。ここでのた形は、出来事がすでに起きたことを表しません。親しい相手には自然に助言できますが、相手が助言を必要としていないときや改まった場面では、語気が強すぎないかを考える必要があります。

この版では、元のノートに散らばっていた てください/ないでください/てもいい/なくてもいい を一つの表にまとめました。ないほうがいい は非推奨、なくてもいい は不要、ないでください は禁止の依頼です。否定の位置は似ていても、相手に求める行動は異なります。

機能 接続 例
するよう勧める Vた+ほうがいい 早く寝たほうがいいです。
しないよう勧める Vない+ほうがいい 無理をしないほうがいいです。
するよう頼む Vて+ください 書いてください。
しないよう頼む Vないで+ください 無理をしないでください。
してもよいと許す Vてもいい 使ってもいいです。
しなくてもよい Vなくてもいい 使わなくてもいいです。

元の冊子のページ:P30、P88、P93

33|店での依頼、支払い、応答、食事

物には「を」、案や方法には多く「で」を使います。丁寧さの度合いと文の機能は、あわせて見ます。

編集者の解説

カードをお願いします :相手にカードの提示・提供を求める言い方です。カードでお願いします :カード払いという方法を選ぶ言い方です。これを :欲しい物に焦点を当てます。これで :選んだ案に焦点を当てます。どちらも「これにします」という意味に取れますが、助詞を一つに固定することはできません。

いかがですか :意見を尋ねたり選択肢を示したりする言い方です。それでは :前の話を受けて次の段階へ進む言い方です。そうします :提案を受け入れ、そうすると伝える言い方です。これらの応答は、直前の文とセットで覚えましょう。

「を」は求める物を示し、「で」は複数の案から選んだ数量・規格・支払い方法を表せます。

三種類の依頼

形式 要点 例
Nをください 相手に物を直接求める 水をください。/このケーキをください。
Nをお願いします Nの提供や処理を頼む。接客の場面でよく使う コーヒーをお願いします。
Nでお願いします Nを案・数量・規格・方法として選ぶ 二つでお願いします。/カードでお願いします。

「これを」と「これで」

文 意味
これをお願いします。 この品物をください/処理してください。
これでお願いします。 この案/方法/版を選ぶ。これにする。
カードをお願いします。 カードを渡してください/見せてください。
カードでお願いします。 カードで支払いたい。

店員が数量を確認する

一つでよろしいですか。 一つでよろしいですか。
いいえ、二つでお願いします。 いいえ、二つでお願いします。

値段の文:商品は数量で金額

文 焦点
大きいケーキは一つ500円です。 商品が主題。一つ500円。
ケーキは二つで900円です。 「二つで」は二つ合わせて900円であることを表す。

値段を述べる判断文に、動作の目的語はありません。× ケーキを一つ500円です。ふつうは「ケーキは一つ500円です」と言います。

場面 表現 機能
選択肢を勧める こちらはいかがですか。 これはどうかと勧める
提案を受け入れる はい、そうします。 そのとおりにすると答える
前の話を受ける それでは、旅行に行きましょう。 それなら旅行に行こうと誘う
食事の前 いただきます。 食べ始めるときのあいさつ。食事前の決まった表現。
食事の後 ごちそうさまでした。 もてなしへのお礼。食事への感謝。
病気の人を気づかう お大事に。 相手の回復を願う一言。

元の冊子のページ:P63、P87、P94、P95

34|について/によって/によると/にいい

どれも「に」で始まりますが、それぞれ主題、条件/手段/原因、情報源、用途を表します。

編集者の解説

について :話題や研究の主題を導きます。によって :ノートの例では、それぞれ違いの条件、方法、原因を表します。によると :伝聞の章で情報源を導きます。三つは同義語ではありません。

動作全体を話題にするとき、この冊子では V普通形+ことについて を安定した教え方の型としています。すべての名詞化が「こと」に限られるという意味ではありません。「動詞+の」をどの複合助詞の前にも自由に置けるわけではない、ということです。

形式 役割 例と意味
Nについて+V 主題 日本の文化について話します。/日本文化について話す。
Nについての+N 名詞を修飾する主題 日本についての本。/日本に関する本。
Vることについて 出来事を主題にする 日本で働くことについて考えています。
Nによって 違いの条件 人によって違います。/人それぞれ異なる。
Nによって 方法/手段 インターネットによって情報を集める。/ネットを使って情報を集める。
Nによって 原因 事故によって電車が遅れました。/事故が原因で遅れた。
Nによると 情報源 天気予報によると、雨だそうです。
Nにいい/Vるのにいい 用途/適性 日本語の勉強にいいです。/日本語の学習に向いている。

元の冊子のページ:P56、P89、P94

35|楽しい/楽しみ/わくわく

違いは「評価」か「期待・楽しみ」かにあり、単なる現在形と未来形の違いではありません。

編集者の解説

楽しい は、い形容詞で、ある事柄が愉快だ・面白いと評価します。楽しみ は、このノートでは名詞で、期待や待ち遠しい事柄を表すことが多く、楽しみにしています は「〜を心待ちにしている」という決まった表現です。

前の版では「現在の楽しさ vs 未来への期待」という対比で理解を助けましたが、だからといって「楽しい」が現在にしか使えないわけではありません。楽しかった は過去の経験を評価でき、明日は楽しい一日になるでしょう のように未来を予測することもできます。以下の最小対比はこの版で編集した例で、手書きノートの逐語的な内容ではありません。

表現 訳 分析
旅行は楽しいです。 旅行は楽しいです。 旅行そのものを評価する。
昨日の旅行は楽しかったです。 昨日の旅行は楽しかったです。 い形容詞は過去形に活用できる。
来週の旅行が楽しみです。 来週の旅行が楽しみです。 期待の対象は「が」で示す。
旅行を楽しみにしています。 旅行を楽しみにしています。 全体で一つの決まった組み合わせ:Nを楽しみにしている。
旅行の前はわくわくします。 旅行の前はわくわくします。 「わくわくする」は、興奮して心が弾む状態を表す。

元の冊子のページ:P94、P95

36|体調:名詞・助詞・動詞をまとめて覚える

「風邪をひく/寒気がする/無理をする」は、どれもひとまとまりの組み合わせで、助詞を自由に入れ替えられる名詞ではありません。

編集者の解説

この組み合わせは、次の流れにそのまま当てはめるのが最適です: んです → 理由 → 助言/伝達。例えば、まず 寒気がするんですと言い、次に 風邪をひいたかもしれませんと言います。文法的には「寒気がする」は自分でわかっている感覚、「風邪をひいたかもしれない」は推測で、確かさの度合いが異なります。

ここで整理しているのは言語表現であり、症状の原因を判断したり、薬について助言したりするものではありません。寒気 は、この症状の組み合わせでは さむけと読みます。漢字だけから別の読み方を推測しないようにしましょう。

決まった組み合わせ 読み方 訳 接続の例
風邪をひく かぜをひく 風邪をひく 風邪をひいたんです。
寒気がする さむけがする 寒気を感じる、ぞくぞくする 寒気がします。
無理をする むりをする 無理をする、我慢して頑張りすぎる 無理をしないほうがいいです。
熱がある ねつがある 熱がある 熱があるので、休みます。
せきが出る せきがでる せきが出る せきが出ます。
鼻水が出る はなみずがでる 鼻水が出る 鼻水が出るんです。
頭が痛い あたまがいたい 頭が痛い 頭が痛いんです。
喉が痛い のどがいたい 喉が痛い 喉が痛いです。
体調が悪い たいちょうがわるい 体調が悪い 体調が悪くなりました。
薬を飲む くすりをのむ 薬を飲む 薬を飲んだ。
病院へ行く びょういんへいく 病院へ行く 病院へ行きました。
治る なおる 治る、回復する 風邪が治りました。

例文のまとめ

A:どうしたんですか。
B:風邪をひいたんです。寒気もします。
A:それは大変ですね。お大事に。

A:どうしたんですか。
B:風邪をひいたんです。寒気もします。
A:それは大変ですね。お大事に。

元の会話をもとに組み直したもので、要点は説明の語気と決まった組み合わせです。

元の冊子のページ:P93