// 日本語 · 第 5 回(全 7 回) · 原稿 2026-10-10 · 本サイトで再編・確認 2026-10-12
日本語ノート 5|やりとりと日常表現:授受表現、比較、副詞、店での表現
授受表現、比較、副詞、店での表現は、いずれもまず動作の方向と場面を見ることが出発点です。このノートでは、日常会話でよく使われ、しかも間違えやすい表現を整理します。
- 初級コース L1–L21 とその後の授業ノート
- 元のノート、編集者の解説、校訂を分けて表示
- 日本語の例文は三言語版すべてで原文のまま
29|授受表現、家族の視点、貸し借り、教える・習う
まず物/情報がどこへ移動するかを描き、次に誰を主語にするかを選びます。敬語を決めるのは最後です。
編集者の解説
くれる は、話し手側へ移る授与を前面に出します。もらう は受け手を主語にします。母が私に財布を贈った場合、 母が財布をくれた とも 私は母に財布をもらったとも言えますが、視点が異なります。
元の練習問題の「妹」は、教材での扱いに従って話し手の妹と解釈するため、想定される答えは くれるです。これは文脈を前提とした想定解答であり、「妹」が出てくる文をすべて同じ視点に決めつけるものではありません。
敬語は社会的な関係を別に扱います。外部の人に自分の家族のことを話すとき、教材では一般に家族を「くださる」の主語として高めません。「母は年上だから」というだけで、機械的に尊敬語に変えてはいけません。
まず物や情報の移動方向を描き、それから誰が主語かを決めます。
あげる・くれる・もらう
| 動詞 | 基本の型 | 視点 |
|---|---|---|
| あげる | AはBにNをあげる | 贈り手が主語。他者に贈る |
| くれる | Aが私にNをくれる(私=話し手または身内) | 他者が話し手側に与える |
| もらう | BはAに/からNをもらう | 受け手が主語 |
| 私は母に花をあげました。 | 私は母に花をあげました。 |
| 兄が私にかばんをくれました。 | 兄が私にかばんをくれました。 |
| 私は兄にかばんをもらいました。 | 私は兄にかばんをもらいました。 |
敬語
| 普通 | 敬語 | 視点 |
|---|---|---|
| あげる | 差し上げる | 話し手側が敬うべき相手に贈る |
| くれる | くださる/くださいます | 敬うべき相手が話し手側に与える |
| もらう | いただく | 話し手側が敬うべき相手から受け取る |
花に水をやる
花に 水を やる
花=受け手、水=与える物。「やる」は植物や動物に対してよく使います。
貸す・借りる・返す・教える・習う
| 動詞 | 格フレーム | 例 |
|---|---|---|
| 貸す | AはBにNを貸す | ひろしさんはアシムさんに本を貸した。 |
| 借りる | BはAに/からNを借りる | アシムさんはひろしさんから本を借りた。 |
| 返す | BはAにNを返す | アシムさんはひろしさんに本を返した。 |
| 教える | 先生は学生にNを教える | 先生は学生に日本語を教えた。 |
| 習う | 学生は先生に/からNを習う | 学生は先生に日本語を習った。 |
この練習問題には「母から私へ」と「友だちから妹へ」の両方が出てきます。どちらも主語だけを見るのではなく、物が話し手側へ移動しているかどうかを判断します。
贈り手 - 物 -> 受け手
受け手が私/私の家族:通常は「くれる」
| 正しい文 | 矢印 | 理由 |
|---|---|---|
| 母が誕生日に財布をくれました。 | 母 - 財布 -> 私 | 受け手は省略されているが、意味は母から話し手へ。「くれる」を使う。 |
| 友だちが妹におみやげをくれました。 | 友だち - おみやげ -> 私の妹 | 修飾語のない「妹」は通常、話し手の妹を指し、話し手側に属する。 |
| 友だちが田中さんの妹におみやげをあげました。 | 友だち - おみやげ -> 第三者 | 受け手が話し手側でないときは、贈り手の視点から「あげる」を使える。 |
| 先生が私に本をくださいました。 | 先生 - 本 -> 私 | 「くださる」は「くれる」の尊敬語で、主語は敬うべき人。 |
四択の落とし穴
| 形式 | 判定 | 原因 |
|---|---|---|
| 母が財布をくれました | ○ 教材の標準 | 母から私へ。普通の叙述では自分の母に尊敬語を使わない。 |
| 母が財布をくださいました | △ 特殊な文脈 | 文法上は主語を高められるが、外部の人に自分の家族について話すときは通常使わない。本問では選ばない。 |
| 母が財布をあげました | × 本問の視点に合わない | 母から第三者へ贈る場合にだけ自然。受け手が私なら「くれる」を使う。 |
| 母が財布を差し上げました | × | 「差し上げる」は話し手側の贈り手が敬うべき受け手に贈るときの謙譲語で、方向も主語の条件も合わない。 |
元の冊子のページ:P54、P55
30|比較、同じ、選択、名詞のつなぎ方
比較の基準にどの助詞を使うかは、同じ/違う/より/ほどなどの構造によって決まります。
編集者の解説
AはBより高い と AはBほど高くない は、どちらも比較ですが、比べる方向が異なります。まず主題Aと基準Bを見つけ、次に肯定か否定かを確かめます。比較の文だからといって、反射的に「より」を選ばないようにしましょう。
Bと同じN では、と が比較の相手を示し、同じ は名詞を直接修飾するので、 な/のは入れません。一方、 ケーキの作り方 は名詞どうしの関係です。外側の助詞はその後の述語で決まり、 教える/分かる ならそれぞれ を/が。
二者の比較、三者以上の最上級、完全な列挙と部分的な列挙は分けて考えます。
比較の文
| 機能 | 型 | 例 |
|---|---|---|
| AとBを比べる | AはBより〜 | 飛行機は新幹線より速いです。 |
| 二つのうちどちら | AとBと、どちらが〜 | 東京と大阪と、どちらが大きいですか。 |
| 答え方 | Aのほうが〜 | 東京のほうが大きいです。 |
| Bほどではない | AはBほど〜ない | スーパーのすしは市場のすしほどおいしくない。 |
三つ以上
範囲の中で、どれ/どこ/だれ/いつ/何がいちばん〜ですか。
| この三つの中で、どれがいちばん好きですか。 | この三つの中で、どれがいちばん好きですか。 |
| どれも同じくらい好きです。 | どれも同じくらい好きです。 |
| 二つとも好きです。 | 二つとも好きです。 |
「と」と「や〜など」
| 形式 | 列挙の性質 | 例 |
|---|---|---|
| AとB | 列挙を完全なリストとして扱う | 机と椅子があります。 |
| AやBなど | 代表例だけを挙げ、ほかにも項目がある | 机や椅子などがあります。 |
ここでの「と」は「比べる相手」を示します。一緒に動作をする相手の「と」でも、完全な列挙の「と」でもなく、「同じ」が求める比較の基準です。
A は B と 同じです。
AとBが同じであるという意味です。
| 形式 | 焦点 | 例文 |
|---|---|---|
| AはBと同じです | Aを主題にして、AがBと同じだと述べる | 私のかばんは先生のかばんと同じです。 |
| AとBは同じです | AとBの両方をまとめて取り上げる | この二つの色は同じです。 |
| Bと同じN | 後ろの名詞Nを修飾する | 先生と同じ本を持っています。 |
| Bと同じくらいA | 程度がBとほぼ同じ | この店はあの店と同じくらい高いです。 |
「同じ」は名詞を直接修飾する
○ 同じ本/同じ色/同じ答え
× 同じな本
この用法の「同じ」には「な」を付けません。
疑問文と同じ型の表現
| 文 | 意味 |
|---|---|
| これは何と同じですか。 | これが何と同じかを尋ねる |
| どれと同じですか。 | どれと同じかを尋ねる |
| 私の答えは田中さんの答えと違います。 | 「違う」も比較の相手を「と」で示す。 |
同じ 「同じです」は、判断の観点において同一であることを表します。
似ている 「似ています」は似ていることを表しますが、完全に同じである必要はありません。
名詞の連結:と同じ、の作り方、AとかBとか
まず、比較の対象、名詞どうしの関係、代表例の列挙を区別します。中国語の「的/和」から日本語の助詞を決めることはできません。
私はリンさんと同じクラスです
私は[リンさんと同じ]クラスです。
| 形式 | 判定 | 分析 |
|---|---|---|
| リンさんと同じクラス | ○ | 「と」が比較の相手を示し、「同じ」が「クラス」を直接修飾する。 |
| リンさんの同じクラス | × | 「の」では、ここで「リンさんと同じ」という意味を表せない。 |
| リンさんと同じのクラス | × | ここでの「同じ」には名詞化の「の」は要らない。 |
ケーキの作り方を教えてください
| 構造 | 分析 |
|---|---|
| ケーキの作り方 | ケーキ+の+作り方で一つの名詞句になる。 |
| 作ります → 作り+方 | ます形の語幹+方で「やり方」を表す。 |
| 作り方を教える | 「教える」内容には「を」を使う。 |
| 作り方が分かる | 述語を「分かる」に換えると、対象は「が」になる。 |
飲み物とか、新聞とかがあります
| 列挙の形 | 語感 | 例 |
| AとかBとか | より口語的。代表例をいくつか挙げる | 飲み物とか、新聞とかがあります。 |
| AやBなど | より中立的。部分的な列挙 | 飲み物や新聞などがあります。 |
| AとB | 完全で明確な列挙 | 飲み物と新聞があります。 |
元の冊子のページ:P57、P58、P59
31|副詞:時間、頻度、程度、限定
「もう/まだ/また」は時間の整理、「たまに/たまたま」は頻度と偶然の区別で、互いに置き換えることはできません。
編集者の解説
副詞は、長い単語リストにするより、グループに分けたほうが使いやすくなります:時間の境界(もう、まだ、もうすぐ)、出来事の繰り返し(また)、頻度(たいてい、たまに)、偶然(たまたま)、程度(そんなに、ますます)、限定(だけ、しか)。
しか は、この冊子の限定の文型では否定の述語と組み合わせます。だけ の場合は、否定は要りません。そんなに~ない は「それほど高い程度」を否定するもので、「まったく〜ない」という意味ではありません。ますます は程度がさらに進むことを表し、「なる」にしか付かないわけではありません。
本当の頻度と、偶然、おおよその見当、動作のしかた、数量を区別します。
頻度の軸
| おおよその頻度 | 副詞 | 例 |
| 非常に高い | いつも | いつも7時に起きます。 |
| 高い | たいてい | たいてい家で食べます。 |
| 高い〜中程度 | よく | よくこの店に来ます。 |
| 中程度 | ときどき | ときどき映画を見ます。 |
| 低い | たまに | たまに外で食べます。 |
| 低め | あまり〜ない | あまり外食しません。 |
| とても低い | めったに〜ない | めったに外食しません。 |
| ほぼゼロ | ほとんど〜ない | テレビをほとんど見ません。 |
| ゼロ | 全然〜ない | 全然分かりません。 |
紛らわしい副詞
| 形式 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| たまに | 時折。頻度が低い | たまにラーメンを食べる。 |
| たまたま | 偶然に、思いがけず | 駅でたまたま先生に会った。 |
| たいてい | ふつうは。頻度を表す | たいてい7時に起きる。 |
| だいたい | おおよそ、ほぼ | だいたい7時に起きる。 |
| ゆっくり | 動作のしかた | ゆっくり食べる。 |
| 早く | 時間/動作のしかた | 早く寝る。 |
| たくさん | 数量/程度 | たくさん食べる。 |
疑問詞 + か/も
| 形式 | 機能 | 例 |
|---|---|---|
| 何か/どこか/だれか | 不特定の何か | 何か買う。/どこかへ行く。 |
| 何も/どこも + 否定 | 全部否定 | 何も買わない。/どこも行かない。 |
| どれか/どちらか | 複数のうちの一つ/二つのうちの一つ | どちらかを選んでください。 |
疑問文と自然な答え方
| 疑問文 | 自然な答え |
|---|---|
| 何を買いましたか。 | 本を買いました。/何も買いませんでした。 |
| 何か買いましたか。 | はい、買いました。/いいえ、何も買いませんでした。 |
| どこへ行きましたか。 | 浅草へ行きました。/どこへも行きませんでした。 |
| どこかへ行きましたか。 | はい、行きました。/いいえ、どこへも行きませんでした。 |
| だれと行きましたか。 | 友だちと行きました。/一人で行きました。 |
| 何人で行きましたか。 | 二人で行きました。 |
「何が」と「何か」
| 形式 | 焦点 | 例 |
|---|---|---|
| 何が | 「何」が述語のが格に立つ | 何が欲しいですか。 |
| 何か | 不特定の物事 | 何か欲しいですか。 |
も・しか・だけ・あまり
| 形式 | 要点 | 例 |
|---|---|---|
| 六時間も | 予想を上回る多さ | 六時間も勉強した。 |
| 三時間しか+否定 | わずか。不足感を伴うことが多い | 三時間しか寝なかった。 |
| 三時間だけ | 中立的な限定 | 三時間だけ寝た。 |
| あまり+否定 | それほど〜ない | あまり寝なかった。 |
時間の副詞の一覧
| 副詞 | 要点となる捉え方 | 代表例 |
|---|---|---|
| もう | 境界をすでに越えた、追加、これ以上〜ない | もう食べました。/もう一つ。/もう食べません。 |
| まだ | 境界をまだ越えていない、状態が続いている | まだ食べていません。/まだ雨が降っています。 |
| また | 同じ種類の出来事が再び起こる、次回 | また行きます。/また明日。 |
| すぐ | 動作までの間隔が短い | すぐ行きます。/着いたらすぐ電話します。 |
| もうすぐ | ある時点や出来事が間もなく来る | もうすぐ授業が始まります。 |
もう:すでに、これ以上〜ない、追加、再度
| 用法 | 元の例文 |
|---|---|
| すでに | もう食べました。 |
| これ以上〜ない | もう食べません。 |
| 追加 | もう一つ/もう少し。 |
| 再度 | もう一度行きます。 |
まだ:継続と未完了
まだ日本にいます。
まだ日本にいます。
まだ食べていません。
まだ食べていません。
もう食べましたか。
はい、もう食べました。/いいえ、まだです。
もう食べましたか。
はい、もう食べました。/いいえ、まだです。
また・すぐ・もうすぐ
| 形式 | 例 | 見分け方 |
|---|---|---|
| また | また日本へ行きたいです。/また明日。 | 出来事の再発、または「次回」。「まだ〜ない」ではない。 |
| すぐ | すぐ行きます。 | 動作主が今からすぐに行う。 |
| もうすぐ | もうすぐ授業が始まります。 | ある時点/出来事そのものが間もなく来る。 |
四組の最小対比
| 文 A | 文 B | 違い |
|---|---|---|
| もう一度行きたいです。 | また行きたいです。 | Aは「もう一回」と回数をはっきり数える。Bは後日また行くことを表すだけで、回数は強調しない。 |
| もう食べません。 | まだ食べていません。 | A=今後はもう食べない。B=今のところまだ食べていない。 |
| すぐ行きます。 | もうすぐ始まります。 | A=動作主がすぐに行う。B=ある出来事が間もなくやって来る。 |
| また来ます。 | まだ来ません。 | A=再び来る。B=まだ来ていない。「また」で「まだ〜ない」は表せない。 |
ほど・ぜひ・ほとんど
| 形式 | 例 | 要点 |
|---|---|---|
| AはBほど〜ない | 先月のテストは、このテストほど難しくなかったです。 | AはBの程度に及ばない。 |
| ぜひ | ぜひ来てください。/ぜひ行きたいです。 | 強い勧誘、希望、願望。 |
| ほとんど | 先生はほとんど女性です。/ほとんど食べません。 | 大部分。否定と組むと「ほぼ〜ない」。 |
時間軸の覚え方:もう=境界を越えた、まだ=境界の手前/継続中、また=出来事の繰り返し、すぐ=間隔が短い、もうすぐ=境界が目前。
最新のノートにある二つの程度表現
そんなに高くないです。
そんなに高くないです。
否定されているのは、予想された/話題に出た値段の高さの程度です。
これから、ますます寒くなるでしょう。
これから、ますます寒くなるでしょう。
元のノートの文法例であり、実際の天気予報ではありません。
元の冊子のページ:P60、P61、P62、P90、P94
32|ほうがいい、依頼と禁止
「〜したほうがいい/しないほうがいい」は助言、「〜してください/しないでください」は依頼で、同じ語気ではありません。
編集者の解説
具体的な助言の基本形は Vたほうがいい と Vないほうがいいです。ここでのた形は、出来事がすでに起きたことを表しません。親しい相手には自然に助言できますが、相手が助言を必要としていないときや改まった場面では、語気が強すぎないかを考える必要があります。
この版では、元のノートに散らばっていた てください/ないでください/てもいい/なくてもいい を一つの表にまとめました。ないほうがいい は非推奨、なくてもいい は不要、ないでください は禁止の依頼です。否定の位置は似ていても、相手に求める行動は異なります。
| 機能 | 接続 | 例 |
|---|---|---|
| するよう勧める | Vた+ほうがいい | 早く寝たほうがいいです。 |
| しないよう勧める | Vない+ほうがいい | 無理をしないほうがいいです。 |
| するよう頼む | Vて+ください | 書いてください。 |
| しないよう頼む | Vないで+ください | 無理をしないでください。 |
| してもよいと許す | Vてもいい | 使ってもいいです。 |
| しなくてもよい | Vなくてもいい | 使わなくてもいいです。 |
元の冊子のページ:P30、P88、P93
33|店での依頼、支払い、応答、食事
物には「を」、案や方法には多く「で」を使います。丁寧さの度合いと文の機能は、あわせて見ます。
編集者の解説
カードをお願いします :相手にカードの提示・提供を求める言い方です。カードでお願いします :カード払いという方法を選ぶ言い方です。これを :欲しい物に焦点を当てます。これで :選んだ案に焦点を当てます。どちらも「これにします」という意味に取れますが、助詞を一つに固定することはできません。
いかがですか :意見を尋ねたり選択肢を示したりする言い方です。それでは :前の話を受けて次の段階へ進む言い方です。そうします :提案を受け入れ、そうすると伝える言い方です。これらの応答は、直前の文とセットで覚えましょう。
「を」は求める物を示し、「で」は複数の案から選んだ数量・規格・支払い方法を表せます。
三種類の依頼
| 形式 | 要点 | 例 |
|---|---|---|
| Nをください | 相手に物を直接求める | 水をください。/このケーキをください。 |
| Nをお願いします | Nの提供や処理を頼む。接客の場面でよく使う | コーヒーをお願いします。 |
| Nでお願いします | Nを案・数量・規格・方法として選ぶ | 二つでお願いします。/カードでお願いします。 |
「これを」と「これで」
| 文 | 意味 |
|---|---|
| これをお願いします。 | この品物をください/処理してください。 |
| これでお願いします。 | この案/方法/版を選ぶ。これにする。 |
| カードをお願いします。 | カードを渡してください/見せてください。 |
| カードでお願いします。 | カードで支払いたい。 |
店員が数量を確認する
| 一つでよろしいですか。 | 一つでよろしいですか。 |
| いいえ、二つでお願いします。 | いいえ、二つでお願いします。 |
値段の文:商品は数量で金額
| 文 | 焦点 |
|---|---|
| 大きいケーキは一つ500円です。 | 商品が主題。一つ500円。 |
| ケーキは二つで900円です。 | 「二つで」は二つ合わせて900円であることを表す。 |
値段を述べる判断文に、動作の目的語はありません。× ケーキを一つ500円です。ふつうは「ケーキは一つ500円です」と言います。
| 場面 | 表現 | 機能 |
|---|---|---|
| 選択肢を勧める | こちらはいかがですか。 | これはどうかと勧める |
| 提案を受け入れる | はい、そうします。 | そのとおりにすると答える |
| 前の話を受ける | それでは、旅行に行きましょう。 | それなら旅行に行こうと誘う |
| 食事の前 | いただきます。 | 食べ始めるときのあいさつ。食事前の決まった表現。 |
| 食事の後 | ごちそうさまでした。 | もてなしへのお礼。食事への感謝。 |
| 病気の人を気づかう | お大事に。 | 相手の回復を願う一言。 |
元の冊子のページ:P63、P87、P94、P95
34|について/によって/によると/にいい
どれも「に」で始まりますが、それぞれ主題、条件/手段/原因、情報源、用途を表します。
編集者の解説
について :話題や研究の主題を導きます。によって :ノートの例では、それぞれ違いの条件、方法、原因を表します。によると :伝聞の章で情報源を導きます。三つは同義語ではありません。
動作全体を話題にするとき、この冊子では V普通形+ことについて を安定した教え方の型としています。すべての名詞化が「こと」に限られるという意味ではありません。「動詞+の」をどの複合助詞の前にも自由に置けるわけではない、ということです。
| 形式 | 役割 | 例と意味 |
|---|---|---|
| Nについて+V | 主題 | 日本の文化について話します。/日本文化について話す。 |
| Nについての+N | 名詞を修飾する主題 | 日本についての本。/日本に関する本。 |
| Vることについて | 出来事を主題にする | 日本で働くことについて考えています。 |
| Nによって | 違いの条件 | 人によって違います。/人それぞれ異なる。 |
| Nによって | 方法/手段 | インターネットによって情報を集める。/ネットを使って情報を集める。 |
| Nによって | 原因 | 事故によって電車が遅れました。/事故が原因で遅れた。 |
| Nによると | 情報源 | 天気予報によると、雨だそうです。 |
| Nにいい/Vるのにいい | 用途/適性 | 日本語の勉強にいいです。/日本語の学習に向いている。 |
元の冊子のページ:P56、P89、P94
35|楽しい/楽しみ/わくわく
違いは「評価」か「期待・楽しみ」かにあり、単なる現在形と未来形の違いではありません。
編集者の解説
楽しい は、い形容詞で、ある事柄が愉快だ・面白いと評価します。楽しみ は、このノートでは名詞で、期待や待ち遠しい事柄を表すことが多く、楽しみにしています は「〜を心待ちにしている」という決まった表現です。
前の版では「現在の楽しさ vs 未来への期待」という対比で理解を助けましたが、だからといって「楽しい」が現在にしか使えないわけではありません。楽しかった は過去の経験を評価でき、明日は楽しい一日になるでしょう のように未来を予測することもできます。以下の最小対比はこの版で編集した例で、手書きノートの逐語的な内容ではありません。
| 表現 | 訳 | 分析 |
|---|---|---|
| 旅行は楽しいです。 | 旅行は楽しいです。 | 旅行そのものを評価する。 |
| 昨日の旅行は楽しかったです。 | 昨日の旅行は楽しかったです。 | い形容詞は過去形に活用できる。 |
| 来週の旅行が楽しみです。 | 来週の旅行が楽しみです。 | 期待の対象は「が」で示す。 |
| 旅行を楽しみにしています。 | 旅行を楽しみにしています。 | 全体で一つの決まった組み合わせ:Nを楽しみにしている。 |
| 旅行の前はわくわくします。 | 旅行の前はわくわくします。 | 「わくわくする」は、興奮して心が弾む状態を表す。 |
元の冊子のページ:P94、P95
36|体調:名詞・助詞・動詞をまとめて覚える
「風邪をひく/寒気がする/無理をする」は、どれもひとまとまりの組み合わせで、助詞を自由に入れ替えられる名詞ではありません。
編集者の解説
この組み合わせは、次の流れにそのまま当てはめるのが最適です: んです → 理由 → 助言/伝達。例えば、まず 寒気がするんですと言い、次に 風邪をひいたかもしれませんと言います。文法的には「寒気がする」は自分でわかっている感覚、「風邪をひいたかもしれない」は推測で、確かさの度合いが異なります。
ここで整理しているのは言語表現であり、症状の原因を判断したり、薬について助言したりするものではありません。寒気 は、この症状の組み合わせでは さむけと読みます。漢字だけから別の読み方を推測しないようにしましょう。
| 決まった組み合わせ | 読み方 | 訳 | 接続の例 |
|---|---|---|---|
| 風邪をひく | かぜをひく | 風邪をひく | 風邪をひいたんです。 |
| 寒気がする | さむけがする | 寒気を感じる、ぞくぞくする | 寒気がします。 |
| 無理をする | むりをする | 無理をする、我慢して頑張りすぎる | 無理をしないほうがいいです。 |
| 熱がある | ねつがある | 熱がある | 熱があるので、休みます。 |
| せきが出る | せきがでる | せきが出る | せきが出ます。 |
| 鼻水が出る | はなみずがでる | 鼻水が出る | 鼻水が出るんです。 |
| 頭が痛い | あたまがいたい | 頭が痛い | 頭が痛いんです。 |
| 喉が痛い | のどがいたい | 喉が痛い | 喉が痛いです。 |
| 体調が悪い | たいちょうがわるい | 体調が悪い | 体調が悪くなりました。 |
| 薬を飲む | くすりをのむ | 薬を飲む | 薬を飲んだ。 |
| 病院へ行く | びょういんへいく | 病院へ行く | 病院へ行きました。 |
| 治る | なおる | 治る、回復する | 風邪が治りました。 |
例文のまとめ
A:どうしたんですか。
B:風邪をひいたんです。寒気もします。
A:それは大変ですね。お大事に。
A:どうしたんですか。
B:風邪をひいたんです。寒気もします。
A:それは大変ですね。お大事に。
元の会話をもとに組み直したもので、要点は説明の語気と決まった組み合わせです。
元の冊子のページ:P93
